気まま者
 私は終戦後満州から引き揚げて来て、ずっとここ(山形県鶴岡市湯野浜)に住み着いており、この法に入会したのは昭和27年頃だったと思います。それから10年余の間は朝夕のおつとめも、山形教会や支部、法座のご供養日にも「できる時にはやり、行かれるときには参拝する」といったような、勝手気ままな心がけで過ごしてまいりました。だから本部に参拝させて頂いたのは、やいやいすすめられて、やっと昨年の11月大恩師20回忌法要の時がはじめてでした。その時、“感謝する”ということが、いかに大事なことかを教えて頂きまして、大恩師様に「我がままな心をとり、しっかりとやらせて頂きます」と、心から祈願をこめてまいりました。
 それからは、山形教会の供養日はもとより、第21支部の供養日にも、かかさず参拝するように心がけております。

夏に苦しむ
 ところで、私は毎年夏が来るのが呪わしくさえ感ずる悩み事があります。それは、暑くなり、袖の短いものを着て、日光が直接肌に当たるようになると、きまって両腕に痒い腫物のようなものができ、それがものすごい痒さなので我慢しきれずにかくと、すごくはれあがって湿疹のようになってしまい「医者だ。薬だ」と騒ぎ回り、大金をかけても一向に効果がなく、女であるが故に悩みも大きく夏になると、できるだけ人前に出ないようにしております。
 それに昨年暮れごろからは、お経をあげていると、必ず顔がむずがゆくなるので、今年あたりは両腕だけでなく顔にもできはしないかと、悩んでおりました。

救ライ募金に
 6月14日は、都合でどうしても山形教会に参拝できなかったので、一日おいた16日に、浜中の須田法座にはじめて参拝させて頂きました。
 その際、横山支部長さんから“ライ病患者救済募金”のお話を聞かせて頂いて、私はとっさに自分の皮膚病のことを思い出し、夏の間だけの悩み苦しみをライ病患者に結びつけて考えさせられ、本当に同情せずにはおれなくなりました。
 そうして私の分と、私と同じような苦しみに悩んでいる富樫茂子さんの分も添えて、その募金に協力させて頂きました。
 数日たってフト気づいたことは、お経をあげていても少しも顔がむずがゆくならないのです。
 最初は、気のせいかしらと思ってもみましたが、少しも不快さはありません。

“奇蹟”か?
それから2か月―暑い夏の太陽をうけても、不思議といおうか、奇蹟ともいえようか私の両腕には一向に腫物もできず、かゆみもありません。すごくさわやかな気持ちで、毎日を過ごさせて頂いております。富樫さんも、腕に少しあせもができた程度で、さっぱりとして家業に精を出しております。
 これも因縁の解決を教えて下さる会長先生の大慈大悲があればこそ、この悩みから救わせて頂くことができたのです。
 この尊い妙智の教えを私同様に苦しんでいる方達にお伝えし、お礼の万分の一にも代えさせて頂きます。
(昭和40年9月・山形県・女性)