布施行について
「布」というのは「お金」という意味、「施」とは、「ほどこす」という意味です。「布施」はそのまま解釈すると、「お金をほどこす」ということになりますが、 佛法の上では、もっと深い意味があります。
佛教では、布施は凡人が菩薩(ぼさつ)になるための修行の道の一つとし、これを非常に重要視しています。菩薩になるためには、六つの修行の道があり、これを六波羅蜜(ろくはらみつ)といいます。
◇布施・ほどこしをすること ◇持戒・いましめを保つこと
◇忍辱・たえしのぶこと ◇精進・一心に修行すること
◇禅定・精神を集中すること ◇智慧・法(大自然の真理)を知る心の働き
六波羅蜜は、初心のものには行いがたいように思われますが、なかでも、布施は一番行いやすい道であり、布施の行に徹することによって、私たちは他の五つの道をも行じようという菩提心を起こすのです。
『布施行について』より(昭和45年1月1日刊行)