忍善

昭和38年(1963)に宮本会長(当時理事長)は「核兵器禁止宗教者平和使節団」の一員として欧米を歴訪しました。その帰国後、宮本会長は大恩師が遺された「人の善を行うには必ず忍を要す。小善には小忍あり、大善には大忍を要すべし。花咲かんと欲せば嵐襲う。月出んと欲せば雲かかる。忍善を行わんと欲せば必ず悪来たりてこれを邪魔す。日輪下界を照らさんとせば悪雲これを覆う。世に正道まさに広まらんとせば悪道大いに振るう」のお言葉で表された「忍善」を妙智會の独自性と宣明いたしました。

忍善とはよいことをするときは、事物に動かされず心を安穏にし、いろいろな障害が押し寄せても、怒らず、愚痴を言わず、欲を出さず、乗り越えることだと受け止めています。そして、小さなことであっても、小さい我慢、努力が必要であり、大きな喜びには、大きな苦労、我慢が必要であるとしています。

昨今の世の中を見ると、地域紛争など争いが絶えません。それはお互いに相手のことをいたわる心を失っていることが要因の一つだといえます。平和を築こうとするとき、大きな努力と寛容な忍善の精神が必要です。